トレーニング、最後の頼みはメンタル

気を集中する人

小さいころ、兄が夢中で観ていたボクシングのアニメで、計量のために無理なダイエットをして、ボクシングの試合どころか立つこともままならないほど、ふらふらになっている主人公の一場面があった。主人公の男性の頬はこけ、正気と狂気のはざまを行きかううつろな目はぎょろりと落ち窪んで、がりがりの四肢を左右から他者に支えられないと立っていられない状態で、彼よりも大きいのではないかと思われる体重計に乗せられるのだ。そのシーンを幼い私は、恐ろしいという気持ちで観て、今でも記憶にやきついている。その時の私はもちろんその世界が理解できず、理解できないから恐怖に感じ、興奮気味に見ている兄のことさえ恐怖だったが、今ではまた違う感情でその時のシーンを思い返す。

私はボクサーではないが、今はある格闘技に夢中になっている。格闘技には様々な技を覚える前に、まずは身体づくりから始めるのが基本だが、毎日のトレーニングはなかなか大変で、最後の頼みはメンタルにかなり左右されるところがある。

一緒にその格闘技を始めた友人は、トレーニング段階でかなり顎を出し、格好いい格闘技とは程遠いトレーニングばかりが続くので、最近はジムに顔を見せなくなってしまった。顎を出していたのは私も一緒だが、私は幼いころに見た、計量のためにふらふらになってまで減量する主人公の姿を自分に重ね、恰好悪くてもいいからとにかく続けることを最初の目標に続けてきた。1月も経ってみると、明らかに休みがちの友人と私とでは身体も動きも違ってきて、私は更に自分に自信をつけ、きついトレーニングも耐えられるのだ。

トレーニングには、素質やセンスより、強いメンタルが一番必要だと思う。

そういう意味では、笑いも大事かもしれない…
笑いすぎるとなぜ腹筋が痛くなるのでしょうか