シトルリンの注意点

注意する仕草の男性

シトルリンを服用していて、
目に見える形で何かしらの大きな問題が起きたという報告は今までにないようです。

しかし身体の中の化学変化というか、そのようなものがあるということは、
一応認識しておいた方が良いでしょうね。

例えば、アルツハイマー病やパーキンソン病あるいは脊髄小脳変性症、といった、
神経変性疾患(神経難病とも)では、
異常たんぱく質が神経細胞の内側や外側に蓄積されたために発症する,
という研究結果が出ています。

そして最近の研究では、様々な異常たんぱく質が発見されています。
そのひとつに、アルツハイマー病の脳に「シトルリン化タンパク質」と呼ばれるものが、
多く出現することが確認されています。

この「シトルリン化タンパク質」とは、
タンパク質の中のアルギニンというアミノ酸が,
シトルリンという浮遊アミノ酸に変化した異常なたんぱく質です。

なぜ「異常」なのかというと、
本来シトルリンは遺伝暗号には存在しないアミノ酸だからです。
そして「ペプチジルアルギニンデイミナーゼ(PAD)」という酵素が、
アルギニンをこの「シトルリン化タンパク質」へ変換しているようです。

アルツハイマー病の発症に、シトルリン化蛋白質が関与しているかどうかは、厳密に言えば未確定であり、完全に検証されてはいないのでしょうが、
注意点の一つではありますね。

しかし現時点では、有害な事象とか、深刻な副作用の報告はありませんし、
シトルリンは生物の体内に蓄積された場合でも、
弊害は無い物質であると考えられています。

しかし稀にではありますが、小児科領域での「シトルリン血症」の方は、
使用を控えた方が良いでしょう。

シトルリンから一酸化窒素の変換を「尿素サイクル」と呼んでいますが、
( シトルリン→アルギノコハク酸→アルギニン→一酸化窒素 )
「シトルリン血症」の方は、その合成のための酵素が欠損しているので、
代謝異常となるためです。
それゆえに、シトルリンの摂取は厳に控えるべきでしょう。

具体的な症状として、
興奮性亢進、多呼吸、哺乳不良、痙攣、硬直、嗜眠、昏睡、嘔吐、痙攣、
精神身体発育遅滞、意識障害、異常行動などといった深刻なものがあります。

また常識的な注意事項ではありますが・・・・、
シトルリンは、血管拡張作用を持ち、血圧関係の効果を発揮しますため、
血圧関連の疾患を持病として(あるいは急性疾患でも)お持ちの方は、
ご利用時は、医師にご相談した方が良いと思います。

またこれは、妊婦や授乳中の方も同様です。

なお、シトルリンサプリメントの適用は、
お子さんに対しては控えた方が良いでしょう。

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