健康とアミノ酸

アミノ酸の錠剤

アミノ酸は「健康」というキーワードと切っても切れない存在です。私たちの健康にアミノ酸はどのような影響を及ぼしているのでしょう。
現代は健康ブームです。多種多様な健康法がメディアに登場しては消えていきます。しかし健康ブームで取り上げられるまでも無く、生物の基本的構成要素の基となるアミノ酸は非常に重要な栄養素です。私たち人間も、その生体活動のあらゆる場面においてアミノ酸の恩恵を受けています。

ただ「生きるだけ」でも必須となるアミノ酸ですが、「健康に生きる」という現代人の持つ命題においてもやはり必須といえるでしょう。ここでは健康を維持する上でアミノ酸摂取における要点を探ってみます。
もはやよく知られていることですが、アミノ酸を闇雲に摂取することはあまり意味がありません。アミノ酸を添加されたドリンクや食品にしても、その含有量は通常の食事で摂取できる量と同じかそれ以下であり、良い意味でも悪い意味でも健康に影響があるとは思えないレベルです。逆に悪い意味であれば、アミノ酸飲料に含まれる糖分や、サプリメントの特定アミノ酸に対する過剰摂取のほうが、健康上よほど注意すべき点かもしれません。事実フェニルアラニンから合成されるフェンフルラミンという物質は、食欲を抑制する効果を期待するむきから一部乱用され、重大な被害をもたらしました。

食品であれサプリメントであれ、アミノ酸を摂取する上で重要なことはまずバランスです。「リービッヒの最小律」や「ドベネックの桶」にも示されるとおり、バランスを欠いたアミノ酸摂取は「もっとも欠乏しているアミノ酸の量に、その効果が従属する」ということからも、いかにバランスが大切かわかるでしょう。
では、私たちは何を目安にアミノ酸の摂取量と比率を決めればよいのでしょう。

アミノ酸の中でも「体内で僅かな量しか合成できないか、全くできない」必須アミノ酸に関し、WHOではその摂取推奨量を定めています。さらにバランスという意味で「ある食品が人体に必要なアミノ酸を含むバランス」を示すアミノ酸スコアと呼ばれるものが公開されおり、このスコア100の食品がベストバランスという指標になっています。
古来、日本人が食してきた「ごはん、味噌汁、お漬物」のバランスは、アミノ酸スコアの観点からも非常に優れているといわれます。先人たちが培った「食のバランス」こそ、現代人の必要な健康のためのベストバランスかもしれません。

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